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概要:このページでは、意外と知らない経済学用語の定義などを考えることで、経済学の本質的なことについて考え、記述します。

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目次

用語の定義

経済学:economics
希少な資源を代替的な手段によって配分する仕組みをしらべる。適材適所の学問.
財:goods
Something good possibly for economic agents. possiblyがついているのは,もしかすると誰もgoodだと思わない財,つまり自由財があるかもしれないから.
商品:comodity
Something traded by economic agents in a market
注)商品であって財でないものもあれば,財であるが商品でないものもある.さて,何でしょう?
消費:consumption
経済主体が財(good)の処分により,直接,満足=効用=厚生を高めようとする行為。経済学において中核をなす行為.
注) 生産のない経済(例:純粋交換経済)は存在しうるが,消費のない経済は存在しえない.生産は消費に従属する副次概念である.
生産:production
直接・間接に,交換を通じて消費者の効用を高める,資源配分に関する行為。行為の主体を生産者とよぶ.生産行為時の財の資源配分は,他の主体から受け取る財(要素)の投入と,他の主体へ受け渡す財(産出)に区分される.
注) T.C.KoopmansのThree Essaysにある,ロビンソン・クルーソの例では,ロビンソン・クルーソは生産者として,消費者の効用を高める機能を担うが,同一主体となっている.Three Essaysの例は,普通パレート最適を,2人の消費者についてのエッジワース箱図で示すところを,孤島のロビンソン・クルーソの自活・自給自足経済における消費・生産のパレート最適を独創的な図で表現している.
資本:capital
生産された生産要素.再生産された生産財.(以上は経済学での意味)
企業が上記の財を手に入れるために調達された資金.株式の発行によって調達された資金を自己資本.社債や銀行融資などによって調達された資金(負債)を他人資本という.前者を企業の純価値(net value).両者をあわせたものを総価値(gross value)とよんだりする.生産活動の元手.(会計学の意味)
企業が有する純資産.さらには会社財産を維持するために必要な一定金額,資本金.(会社法での意味)
注1)資本という用語は,経済学において最も多義的に使われるため,使用には注意を要する.経済学においても,近代経済学とマルクス経済学では,同じものを指しているとは思えない.また,会計学上の資本,法律における資本は,微妙に異なる.
注2) 資本という言葉を,理論モデルで生産関数に絡めて用いるときも,財を指すのか,用役を指すのか文脈的に明確にする必要がある.労働用役の発生源である労働者と労働用役を混同することはあまりない.なぜならば奴隷制でない限り労働者には価格はつかず,賃金率といえば労働用役の価格に決まっているからである.ところが,資本というとき,資本用役の発生源としての資本と,資本用役そのものを常に厳密に峻別しない人たちもいる.これが問題である.資本用役の価格と資本財の価格は,密接な関係はあるが別のものである.
信用:credit(金融)
他の主体に対して資金を手放すことに対して生ずる(不確実な将来における)見返り(return)に関する判断・信念をさす.信用を与える(与信)とは,この意味から派生して,資金を貸与することを意味する.
所得:income(収入とどう違うのか?)
現在の経済状態を同じだけに維持するために必要な資金。
実は,経済学にとっての所得概念の本質は,Friedmanの恒常所得がもっともよく表現している.
注) ヒックスの「価値と資本」第14章にくわしい.
収入:revenue(所得とどう違うのか?)
その時点におけるデータとしてのキャッシュイン。
注) 過去20年間,毎年1000万円の俸給を受け取る家計が,ある年1億円の宝くじをあてたとする.その場合,その年の所得は1億1000万円ではない.文句のある人は,経済学を学習する素質なし.
家計概念と消費者概念
家計は、消費行為にともなう資金移動を考える際の会計単位としての主体。消費者は、財の配分を考えるときの機能分類による経済主体.
企業概念と生産者概念の違い
家計は、生産行為にともなう資金移動を考える際の会計単位としての主体。生産者は、財の配分を考えるときの機能分類による経済主体.
資金
大抵の経済では,市場取引,納税,補助金の受け取り,贈与にいたる場面で,決済手段として貨幣あるいは貨幣に準じたものが使われる.それらの価値額を,資金として認識する.
注) 近代的な銀行組織が存在せず,預金通貨が存在しない経済においても,資金を考えうる.極言すれば,一般受領性のある交換媒体のない物々交換経済においても,財配分の背後に資金循環を考えることができる.
GDP測定の目的
経済総体における,生産を通じての,厚生の増加。
注) 財の数量は多ければ多いほど各経済主体の満足度は増す、という選好に関する単調性の仮定が暗黙に置かれている。
注) 「生産を通じての」という,部分は重要である.生産を念頭におかない,物々交換経済においては,GDPがゼロということになってしまう。自給自足経済も,生産を考慮しなければ,GDPはゼロということになってしまう.ロビンソン・クルーソーは生産しなかったのか,この問いに答えるのは簡単ではない.そもそも財配分行為のうち,どれが生産行為かを実務上決めることには,困難がつきまとう.(違法ドラッグ,違法売春,等々.)
消費の恒常所得仮説
消費支出は,恒常所得(permanent income)に等しいという仮説。実は,恒常所得の意味するところは,上記の所得の定義に等しい.

Reference

参考書籍

何はともあれ,以下の本を読むべき.これほど含蓄に富み,かつhardboiledな経済学入門書は類をみない.ゲーム論に詳しくても生産の定義も満足にできない現役経済学者も読むべき名著.残念なことに,品切れ絶版かも.図書館へ走れ.

  • J.R.ヒックス著 酒井訳『経済の社会的構造―経済学入門』同文館,1980年

以下の本も,同じイギリスの大経済学者による入門書.記述は平易.

  • A.C.ピグウ『所得』東洋経済新報社,当然,品切れ絶版,図書館へ走れ

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Last-modified: 2013-10-27 (日) 18:11:35 (1506d)